かんべえの不規則発言

<9月16日>(水)

○最近、「なぜ中国の経済政策はおかしくなったのか?」という疑問に対し、不肖かんべえの
仮説は「腐敗撲滅をやっているから」です。賄賂を取ろうと思ったら、役人は現場のことに詳
しくなる。子分も抱えるし、頼みごとも聞いてやらねばならないし、喧嘩があれば仲裁しなけ
ればならない。だから現実的な政策が実施できるようになる。ところが習近平体制の下で腐敗
撲滅運動が始まったら、役人は何もしない方が利口だということになる。つまりは「指示待ち
族」になってしまう。結果として、現場のことが分からなくなっているのではないか。

○わが国においても「コンプライアンス不況」なんて言葉がありましたけど、賄賂をモチベー
ションとして物事が動いていた社会において、腐敗防止を急にやったらそりゃいろいろ問題が
起きますよ。かといって、腐敗を野放しにしておくと、中国共産党の正当性が問われることに
なる。習近平さんのお立場は、なかなかに難しいところだと思います。