かんべえの不規則発言

<10月26日>(水)

○ソウルの会議で発表した際には、こんなデータをご紹介しました。

●一人当たりGDPの変化(単位:米ドル)

  2001   2015   人口   名目GDP
中国  1,047 → 7,989 × 13億人 = 10.9兆ドル
日本 32,729 → 32,485 × 1,2億人 = 4.1兆ドル
韓国 11,258 → 27,195 × 0.5億人 = 1.3兆ドル
アメリカ 37,241   55,805 × 3.2億人 = 17.9兆ドル

○これ、ちょっと面白いでしょ? いろんな読み方ができるデータだと思います。データはIMFのWorld Economic Outlookから取っています。

中国経済は、1人当たりGDPを15年間で1000ドルから8000ドルに増やした。15年間で年収8倍、と考えれば、これは経済政策の大成功と呼ぶほかはありません。もっともこれから先は、1万ドル前後の「中所得国の罠」ゾーンに突入するわけで、これから先はいろんな悩み方をするはずです。

○逆に日本人にとっては、内心グサリと刺さるデータだと思います。上はもちろん為替のマジックが働いているので、円高であれば4万ドル以上になるのですが、たまたま2001年と2015年を比べるとほぼ同じになってしまう。この間に着々と韓国は伸びていて、「もうじき日本に追いつける」と考えている。近年の強気な対日姿勢の一因はここにあるのだと思います。

○どうやら日本は、「高所得国の罠」(こんな言葉はありません。不肖かんべえが勝手に作った言葉です)になって伸び悩んでいる。でも、まあ、それで社会が不安定になっているかと言えば、1人当たりGDPがちゃんと増えているアメリカの方が、大統領選挙を見る限りよっぽど剣呑な感じになっている。国民にとって何が幸福なのか、一概には言えないのであります。

GDPという統計は、1人当たりが3万ドルを超えるとかなり無意味化する指標だと思います。でも、他国が日本を見るときはこんな風に見えてしまうのだということを、われわれはちゃんと直視しなければなりませぬ。