かんべえの不規則発言

<9月18日>(金)

○ある安全保障関係の友人が語ってくれたこと。

「あなたが大事にしてきたお守りは、実は何の意味もなかったんですよ、と教えてあげても、
何十年にもわたってそのお守りを大事にしてきて、その結果、自分は無事でいられたと信じ込
んでいる人は、けっしてお守りを捨てることはないでしょう」

○長年にわたって日本を守ってきてくれたのは、憲法九条の存在ではありません。それは幸福
な誤解、もしくは幸福な偶然というものです。日本を守ってきたのは、自衛隊を中心とするわ
が国自身の防衛努力であり、日米安保条約の存在であり、米軍基地であり、米軍の核の傘
あったはずです。少なくとも、お守りのお蔭ではない。ところが残念ながら、人は自分が見た
くないものを見てくれません。しょうがないですわなあ。

○別の安全保障専門家が言っていたこと。

「われわれからすると、安倍内閣は妥協に次ぐ妥協を重ね、新安保法制はほとんど役に立たな
いものとなってしまいました。あれだけ苦労したのに、これでは名を取って実を捨てたも同
然。ただし法律とは関係のない部分で、日米新ガイドラインの中に隠れた前進があったりす
る。世の中、捨てたものではありません」

○日本人の悪い癖は、ついつい現状維持を自己目的化してしまうこと。ただし、少しは前進も
ある。国会は旧態依然のようですが、牛歩の歩みを信じたいと思います。