円高の正体 (光文社新書)

円高の正体 (光文社新書)

  • 「デフレの正体」をはじめとして他書をディスってる割には、肝心の自分の主張に根拠が無いとか。所々で「リンクが無いぞ!」「ユニークネスも無いぞ!」とつぶやくだけで全体の論旨が切れちゃうんじゃないのこれ?
  • メディアで円高は良いと主張する人なんてほとんど見かけないでしょ。まあ、この人がどういうポジションで本を書いているかはよく分かったけどさ。
  • ソロスチャートという概念は初めて知ったけど、為替の動きをマネタリーベースだけで語ろうというのはかなり無理があるでしょ。
  • [書評]円高の正体(安達誠司): 極東ブログの書評で興味を持った本なのだけど、久々のトンデモ本をつかんでしまった。いやまて、この作者がディスってる本は名著である可能性が高いと考えるんだ!

pp.54-55
しかし日本にとって、輸出産業は国の基幹産業です。つまり、輸出産業の規模は、輸入産業の規模よりも大きいのです。言い換えれば、「日本は、海外に製品を輸出することで利益を生み出しているという側面が強い」と言うことです。

p.59
新聞やテレビなどで、「良い円高」「良い円安」という話が出てきたとき、あなたなその報道や発言者が「「何にとって」良い(もしくは悪い)と行っているのか」を正確に見極めなくてはいけません。

pp.62-63
何故これまでメディアなどにおいて、「円高は良いこと」という説が唱えられつづけてきたのかについて、かなえていきたいと思います。(中略)つい最近までは、「円高は良い」「円安は悪魔だ」などと主張する専門家やコメンテーターがメディアに跳梁跋扈していました。

p.107
円高は、日本の貿易収支の赤字化を促進します。事実、日本の貿易黒字は、円高の進展と共に減少の一途をたどっているのです。

p.198
日本経済の血液とも言えるマネタリーベースの供給は、日本においては、日銀以外の誰にも出来ないことです。そして現行の日銀法では、総裁の権限は絶大で、首相に罷免権はなく、首相は金融政策についても参考程度に意見を述べることが出来るだけで、直接指示すら出来ない状況なのです。