• 地震のどさくさで溜まってしまった資料をflushして一段落したので、昨日と今日で一気に読み切りました。実務者向けの本だったのか、理屈と契約書雛形がセットで紹介されているけど、後者は必要ないので読み飛ばしました。シンセティックCDOについてページを割いているけど、これもちょっと...
  • これまで、CDOというのは債権やローンを担保として保持し、発生するキャッシュフローを有線劣後構造に基づいて分配する商品だと思っていた。ABSとの違いは、担保として保持する原資産がクレジットに関わる証券かどうかかと思っていたけど、CDS/ABS/CDOを組み込んでCDOを組成する場合もあるらしい。こうなると、重要なのはキャッシュフローがこういうストラクチャーを取っているかどうかという点なのだろうか。
  • あと、担保によるキャッシュフロースワップするカウンターパーティーが必須になるという点は全く見えていなかった部分なので勉強になりました。
  • まあ、結構古い本だし、その間に金融工学的な進歩は大いにあったのだろうから、細かい点を追求しても仕方ないと割り切りましょう。総じて、ブックオフオンラインで\100で買ったにしては大いに役に立ったぞ。:-)

メモ

  • CDO: Collateralized Debt Obligation債務担保証券
    • ポートフォリオに組み込まれる原資産が、原資産の発行体(オリジネーター)に取ってDebt(負債)サイドの物であることが由来。
      • CLO: ローンを担保
      • CBO: 債権を担保
    • 値付けは、複数信用リスクのプライシングモデルを用いる。
  • ABS: Assetbacked Securities(資産担保証券
    • ポートフォリオに組み込まれる原資産が、原資産の提供者にとってAsset(資産)であるものを担保にした証券か商品。
    • 値付けは、大数の法則を用いる。多量の小口債券が中心であるため。現実のキャッシュフロー管理が重要。
  • メリット
    • 信用リスクの移転手段
    • 純粋な信用リスクの取引(long/short)が可能
    • 信用リスクの指標
    • 条件設定の柔軟性
    • オフバランス取引
    • ヘッジの匿名性
      • 相手に知られることなく、信用リスクをヘッジできる
    • 自己資本比率の管理ツール
  • コラテラルマネージャとか倒産計数とか