シン・ウルトラマン

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  • ゼットンはガンド・ロワ!?トドメはブラックホール爆弾!亜空間からウルトラマンを回収するシーンはNEXT GENERATIONのサルベージ計画も意識しているのかも。他にも無数のネタが散りばめられていたのであろう。気付けない自分がちょっと悔しい。
  • 「割り勘でいいか、ウルトラマン」は、本来ならウルトラマンから言い出さなくてはなりません。国家公務員と飲食すると面倒ですからねえ。交渉相手の文化への理解度が半端ない。
  • この作品に興味を持ったのは溜池通信のコメントがきっかけですが、映画館で見てたら非常に複雑な思いで退館することになっただろう。いろんな意味でシン・ゴジラからの流れを継承しているけど、なんとも言えない違和感というか没入できない感がありました。シン・ゴジラの世界観にはすんなり入れたのに、この違いは何だろう。ウルトラマン世代ではないからだろうか。

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<5月14日>(土)

〇昨日が封切りだったのですが、もう見て参りましたですよ。『シン・ウルトラマン』を。

〇怪獣は「禍威獣」になり、科特隊は「禍特隊」になっておりました。「禍特隊」のメンバーは、防衛省警察庁と某大学と文科省公安調査庁からの出向者の集まりなんですって。しかもハヤタ隊員の名前は「シンジ」なんです。逃げちゃダメだ、にげちゃだめだ・・・。音楽なんかはまんま「エヴァ」であります。電信柱や鉄道のヴィジュアルが効果的に使われてます。これって庵野ワールドですよね。

〇「禍特隊」の本質は、「巨災対」と似ています。リアリティはむしろ消そうとしていた感がありますが、いろんな意味で本作は、『シン・ゴジラ』を継承しています。それが現代ニッポンの姿そのものだから。竹野内豊が出てくると、急に思い出すところがありますよね。

〇就学前に「ウルトラマン」を楽しんだ世代としては、よくぞここまであの世界を21世紀バージョンで再現してくれた、ということで感謝にたえません。それと同時に感じるのは、半世紀前にこの世界観を作った先人たちの偉業であります。特にウルトラマンの造形を担当した成田亨の仕事は、いまから考えると圧巻としか言いようがありません。なにしろ半世紀の時を経て、まったく古さが感じられないのですから。

〇あらためてこの年になって分かるのは、幼少期に見たウルトラマンはエロチックだったんだなあ、ということ。あんまり書くとネタバレになるので、とりあえず「あー、楽しかった」とだけ言っておこう。今日の映画館は満杯で、家族連れが多いことが新鮮に感じました。


<5月20日>(金)

〇クルマを運転していて、突然流れてきたこの曲。背中に電流が流れました。先週見た『シン・ウルトラマン』の主題歌、「M八七」です。

〇恥ずかしながら小生、初めて米津玄師ってすげェと思いましたですよ。なんでこんな歌詞が書けてしまうんだろう。冷戦終了後に生まれた世代だというのに、ワシらウルトラマン世代が気づいていなかった何事かを教えてくれているような。


君が望むなら それは強く応えてくれるのだ

今は全てに恐れるな

痛みを知る ただ一人であれ


〇上海馬券王先生が、「シン・ゴジラに及ばない」と言っているのはまあその通りでしょう。今日の日経夕刊の「シネマ万華鏡」も、こんなことを書いている。


かなり複雑なはなしが、速度をつけて展開され、見ごたえはあるが、やや疲労感もあった。「シン・ゴジラ」も情報過多なはこびかただったが、怪獣の描写が圧倒的にすばらしかったので、それさえもカタルシスにつながった。

今回は、ことばのほうが先行してしまっている。映像的に文句なくおもしろかったのは、にせウルトラマンとの対決と長澤まさみの巨大化。


〇ちょっとだけ弁護したくなるのは、『シン・ゴジラ』はわれわれが「3/11」を乗り越えるために必要だった物語であった。『シン・ウルトラマン』にはそういう要素がない。コロナが始まる前にほとんど撮り終えていたみたいだし。安直に言葉だけで説明しようとしているきらいは確かにある。ただし、これはこれで評価してあげてよ、という気がしている。

〇日経の宇田川幸洋氏は2点だけに絞り込んでいるようですが、山本耕史演じるところのメフィラス星人も加えてあげて欲しいです。異常な存在感でした。「この店、割り勘で良いか?」「私の好きな言葉です」。