親切な物理

親切な物理 (下)

親切な物理 (下)

TOEICの語彙増強に使えるかと思い速読英単語(2)上級編 [改訂第3版]をチェックしに受験参考書のコーナーに立ち寄る。期待した速読英単語はだめそう。気が付いたら、全部知ってる単語でした。
せっかくなので数学、化学、物理と見て回ったところ、外装の印象がだいぶ異なる本書を発見しました。高校入学からずっとこれで勉強していたので、懐かしさから手に取ってみる。復刻版と書かれていたので、一度絶版されたらしい。巻頭に書かれていて驚きましたが、著者の渡辺久夫氏は他界されたそうです。改訂作業が困難なため、現時点から見ると旧課程(僕から見ると新課程)に相当する版をもとに復刻作業がなされたそうです。
さて、本書について考察してみると、

  • 文部科学省的な指導要綱に基づく高校物理の参考書としては最良の一冊
  • しかし、微分方程式を使わない(使ってはいけない)ことが前提のため、公式の導き方が不自然かつ冗長になり、暗記すべき公式の量が膨大になる

という欠点があります。一通りこなして理解したつもりになっただけでは意味が無く、最低でも5回以上は繰り返さないと受験にあたっては意味がありません。結局、自分の中で物理の知識がbreak through出来たきっかけは、

  • 坂間先生の講座
  • 同時期に偶然読んだ遠山啓著の数学入門 下

による相乗効果以外の何者でもありませんでした。前者をドロップアウト寸前に、後者で偶然m・dx/dt == Σfという記述を見かけて、しかも坂間先生が言いたいのはこのことかとひらめかなければ、今とは全く異なる人生を歩んでいたに違い有りません。:-)
かなり中略しますが、受験物理は

  • 文部省指導要綱に従って暗記地獄に陥るか、
  • 微分方程式を全面使用して、暗記は限りなくゼロになる一方、膨大な演習量をこなすか

のどちらなのかなというのが実感。個人的には、1990年代の坂間先生が主導していた駿台方式が肌にあったことが幸運でしたと言うことで。
さすがに今の受験事情は分かりませんが。:-)

数学入門〈下〉 (岩波新書 青版 396)

数学入門〈下〉 (岩波新書 青版 396)

さて、ここまで書いて懐かしくなってきたので、実家に戻った際に当時の参考書を引っ張り出してみよう。ぼろぼろにすり切れるまで使った本書が保存されているはず。

http://www001.upp.so-net.ne.jp/vem10252/index.html

こちらの、Science Box -> 物理の部屋に詳しく書かれてますね。