かんべえの不規則発言

<12月9日>(月)

○最新号の溜池通信で、「雇用者数が史上最高になっている」「男性は増えずに、女性が増え
ている」という件を指摘したところ、いくつか反応をいただいております。

○その中でも、「あっ、そうだったのか!」と感心したのは、某自動車会社勤務の友人からの
メールでした。


「男性は昔から就業率が高く、年代による就業率差もないので、就業者数は人口動態に従って
減少局面にある。

女性は、高齢者層は就業率が低い時代のままであり、この層が退出し、就業率が高い若年に移
動すると、就業者数は増加する」


○なんでも、免許の保有率が同じパターンをたどっているとのことで、男性は世代移行による
変化がないので総数が減少し、女性は若い層ほど免許を持っているので総数が増える。従っ
て、これからますます軽四の比率が上がるだろう、というのが業界の読み筋なんだそうです。
さすがはT社。

(個人的には、スポーツカーを乗り回す女性がカッコいい、みたいなブームが起きたらいい
な、と思います。先日も当社の若手研修会に参加して、最近の女性総合職はすげえな、と感心
したところでありましたので)。

○さて、このように女性の雇用者が増えるとなると、それはデフレ脱却には果たして有効なの
だろうか。ひょっとすると、介護や福祉など年収が高くない職種ばかりで女性の雇用が増え
て、全体の賃上げには寄与しないという見方もできる。他方、共働き世帯の可処分所得が増加
するといった形で、個人消費には確実に貢献するのでしょう。

○世間的には、「非正規の雇用は、いくら増えてもけっして評価してはいけない」的なこだわ
りがあるような気がするのですが、正規でも非正規でも雇用者総数が増えることは良いことで
す。さらに言えば、有効求人倍率が既に0.98まで上昇していることを考えると、ゆくゆくは賃
金上昇圧力が生じるという楽しみもある。雇用者数の増加は、2013年の日本経済にとって収穫
であることは間違いありません。