用語

実質実効為替レート (Real Effective Exchange Rate)

定義
一国の対外競争力、すなわち、貿易財の価格競争力を測る指標として、
実質実効為替レート(Real Effective Exchange Rate)がよく用いられる。
実質実効為替レートが、名目の円ドル・レートといった2か国間の為替レ
ートに比べて、対外競争力を適切にあらわしていると考えられるのは、
「実質」と「実効」の両面を考慮に入れているからである。
日本銀行は、2010 年1 月分まで、独自の計算に基づく円の実質実効為替
レートを公表していた。現在は、BIS の計算する実質実効為替レートを
「金融経済月報」で用いており、日本銀行のホームページにある時系列検
索サイトからダウンロードできるようにしている。
実質化
「実質化」とは、名目の為替レートを、自国と競合国の製品価格で調整す
ることをいう。例えば、日本製品の価格上昇率がゼロで、米国製品の価格
上昇率が10%であれば、名目の円ドル・レートが変化しなくても米国製品
は割高になるため、日本製品の対外競争力は10%改善する。このため、単
に名目の為替レートをみるだけではなく、この間の両国製品の価格変化率
を勘案する必要が生じる。
一般に、実質化に用いるデフレーターとしては、輸出入物価指数、国内企
業物価指数(もしくは生産者物価指数、卸売物価指数)、消費者物価指数
などが考えられる。本来であれば、対外競争にさらされた個別品目(貿易
財)の価格を一つひとつ国際間で比較するのが理想ではあるが、ごく限ら
れた財ならいざ知らず、幅広い品目で月々の比較を行うことは、実務上不
可能である。そこで、一国全体の物価指数を用いて、個々の製品の価格変
化率の集計値を近似する必要が生じる。
実効化
「実効化」とは、複数の為替レートを加重平均することである。対ドルで
は10%競争力が改善していても、対ユーロ、対ウォン、対人民元では、10
%競争力が悪化していれば、日本製品の対外競争力がグローバル市場全体
で改善しているかどうか定かではない。こうしたことから、複数の為替レ
ートの加重平均値としての実効為替レートが有用になる。
実効為替レートを作成するにあたっては、どの国の通貨を対象にするかと
いうカバレッジの問題と、それぞれの国にどのようなウェイトをつけるか
というウェイト算出の問題がある。

ダークプール (Dark Pool)

証券会社が提供するダークプールは、証券会社が、機関投資家からの委託
注文を取引市場に発注する前に、証券会社内のシステム上でつき合わせて
約定処理を行うシステムである。それゆえに内部クロッシングシステムと
も呼ばれている。
ダークプールは板情報のない価格非公開型の執行場所であり、アスク・ビ
ッドのスプレッドが存在しないために、ダークプールで取引を行う機関投
資家にとっては、既存取引場所よりも有利な価格条件で執行することが可
能である。特に、仲介クロスを採用するダークプールでは、取引所の最良
気配の仲値で約定出来るため、買い手と売り手の双方にとって、取引所価
格よりもよい価格で執行することが可能となる。また、ダークプールでは、
取引価格やボリュームが公開されないため、マーケット・インパクトを抑
えることができ、執行コストを最小化することができる。
ダークプールを提供する証券会社にも、戦略的な思想において、ふたつの
方向性をみることができる。
ひとつは、投資家からの注文に対して、自己売買部門による注文を接続す
るなど内部ダークプールの流動性を高め、収益を得るモデルである。(中
略)
一方、自社のダークプールを複数の外部ダークプールと接続し、多くの流
動性にアクセス可能なアルゴリズムを提供することで収益を得るモデルが
存在する。

NAIRU(インフレ非加速的失業率 Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)