ため池通信

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<9月14日>(火)

○今朝の「くにまるジャパン極」で、「菅義偉内閣がこの1年間に行った仕事トップテン」をご紹介しました。こうやって並べてみると、ちょっと壮観です。


①ワクチン接種体制の構築。当初、「1日100万回体制」は到底無理だと思われたが、9月12日時点でワクチンを2回接種した比率は全人口の5割を超えた。アメリカを抜くのはもう時間の問題だ。

②東京オリパラの実施。いろいろ議論はあったにせよ、また無観客だったにせよ、とにかく大きな事故もなくイベントを終了させた。アスリートたちにとっては、「ありがとう、菅さん」だろう。③「2050年カーボンニュートラル」の宣言。「2030年46%減」という手前の目標は個人的には難ありと考えるが、ともあれ大方針を決したことは歴史に残る仕事。

④デジタル庁の創設。1年でスタートにこぎつけたことは、「日本新記録」(甘利税調会長)の速さと言える。小さな組織だが、「デジタル敗戦」と言われた過去を否定できるか、これからが勝負。

⑤訪米、コーンウォールG7会合出席などの一連の外交成果。外交文書に「台湾」を入れることはG7のコミュニケにも踏襲されたが、もとは日米首脳会談で決めたこと。長年の国際政治のタブーを破った。

⑥福島のトリチウム水の処理決定。安倍内閣が先送りしてきた課題に目途をつけた。今までは「風評被害が…」と他人事のように言い続けるだけで、何もしなかった政治にケリをつけた。

⑦携帯料金値下げ。お陰で消費者物価のグラフは4月にカックンと前年比で低下した。4300億円分の家計負担の軽減となり、それだけ可処分所得が増えたことを意味する。

⑧2021年の最低賃金は過去最大の上げに。全国平均で28円の引き上げ。コロナ下の飲食業界にとっては大きな負担となったはずだが、「最低時給1000円」を目指すのは正しい方向と考える。
不妊治療への保険適用。来年4月からスタートの予定だが、遡って今年1月から助成を拡充。年収730万円未満という所得制限も撤廃へ。

⑩過去の積み残し法案の処理。国民投票法案、種苗法、重要土地取引規制法など。総じて安倍内閣8年間のやり残しを大掃除した1年間でした。

○ワシ的には菅内閣の退陣はやむなしと考えるものですが、それでも上記のような功績は認めるべきでしょう。まるでワーカホリック内閣で、解散する暇を惜しんで仕事を続けたが、結果的に解散
のタイミングを逃して最後は孤独のうちに倒れることとなった。あ、そういえば上記には「孤独・孤立対策担当大臣を設置したこと」は入っておりません。

○来週の菅さんは国連総会のために訪米し、初のリアルQUAD首脳会談にも出席するとのこと。3月に行われた初のQUAD会合はオンラインで、「年内にリアルの会合を実施する」と決めていた。6月のG7で実現するはずが、インドで「新規感染者数が1日40万人」というすごい事態になってしまい、モディ首相が来られなかった。10月にはローマでG20がありますけど、ここでやっておくべきでしょう。

○「あと1週間で辞める首相がなんで外遊するんだ」という批判は当然あるだろう。が、ワーカホリック首相にはふさわしい最後のご奉公じゃないでしょうか。

○ちなみに新しい首相が誕生するのは、9月29日に新総裁が決まって、翌週に臨時国会が召集されて、首班指名選挙が行われてからとなります。それまでは菅さんが総理大臣。家に帰ってくるまでが遠足です。