かんべえの不規則発言

<3月4日>(月)

○で、この先が能書きなんですが、経営学には「意図的戦略」(Intended Strategy)と「創発的戦略」(Emergent Strategy)がある。前者は最初から決めていたもの、後者は状況に合わせて変更したものだ。もしもホンダがちゃんとした二輪車を売る、とこだわっていたら、成功はおぼつかなかったかもしれない。ところが当時のホンダは資金的な余力がなく、駄目なことはさっさとあきらめ、希望のあることに資源を投入する以外なかった。朝令暮改が成功への道だったのである。
(中略)
○何でも持っている人(企業)は、自分が何でもできるがゆえに、たった一つのものを捨てることができない、というのは、この世の中ではよく見かける光景です。「この事業からは撤退すべきだ」と分かっていても、「相談役が嫌な顔をするだろうなあ」ということが理由で問題を先送りしたりする。最近の日本企業の不振には、そういう背景もありそうです。