ため池通信

かんべえの不規則発言

  • 佐々淳行が警察官僚最後の大仕事として昭和天皇大喪の礼を取り仕切ったという話を知ってはいたけど、その具体的な一端を今更ながらにして知りました。この警備を大過なく完了させるって、半端じゃないわ。
  • こうしてみると、崩御大喪の礼、即位礼正殿の儀って結構な期間があいているのだな。

<5月8日>(水)

○問題です。令和初の国賓として訪日するのはドナルド・J・トランプ大統領(5/25-28)です。そ
れでは平成最初の国賓は誰だったでしょう?次の中から選びなさい。


クエールアメリカ合衆国副大統領夫妻、②ムガベジンバブエ大統領、③盧泰愚・韓国大統領、
ゴルバチョフソビエト連邦大統領夫妻


○答えは本日の最後の部分で。

○実は今日、宮内庁のHPを調べていて驚いたのです。1989年(平成元年)2月の大喪の礼、1990年
(平成2年)11月の即位礼正殿の儀には、まことに多くの賓客が訪日しているのです。いや、これは
すごいですぞ。


大喪の礼(1989年2月24日)



フィンランド国大統領夫妻
ナウル国大統領
バヌアツ国大統領夫妻
アイスランド国大統領
イスラエル国大統領
ドイツ連邦共和国大統領
ギニアビサウ国家評議会議長夫妻
ザイール国大統領夫妻
アイルランド国大統領
ハンガリー国幹部会議長
バーレーン国王族アリ殿下
アラブ首長国連邦王族ムハンマド殿下
カタール国王族(外務担当国務大臣)アハマド殿下
サウジアラビア国王弟ナッワーフ殿下
オマーン国国王代理スワイニ殿下
モナコ国皇太子アルベール殿下
リヒテンシュタイン国皇太子ハンス・アダムス同妃両殿下
マレーシア国副国王アズラン・シャー同妃両殿下
ロッコ国皇太子シディ・モハメッド殿下
タイ国皇太子ワチラロンコン殿下
ブータン国国王ワンチュク陛下
スペイン国国王フアン・カルロス1世王妃両陛下
トンガ国国王トゥポウ4世王妃両陛下
ルクセンブルク国大公ジャン同妃両殿下
西サモア国元首タヌマフィリ2世殿下
ヨルダン国国王フセイン1世陛下,王族ザイド・ビン・シャーケル殿下
ベルギー国国王ボードワン王妃両陛下
ブラジル国大統領夫妻
エジプト国大統領
ガンビア国大統領
キプロス国大統領
ミクロネシア国大統領夫妻
ザンビア国大統領
インド国大統領夫妻
トーゴ国大統領
フィリピン国大統領
ガーナ国暫定国家防衛評議会議長
アメリカ合衆国大統領夫妻
英国王配エディンバラ公フィリップ殿下
フランス国大統領
イタリア国大統領
ケニア国大統領
スウェーデン国国王カール16世グスタフ王妃両陛下
ノルウェー国皇太子ハラルド殿下
デンマーク国王配ヘンリック殿下
ネパール国王弟ギャネンドラ殿下
ブルネイ国国王ハサナル・ボルキア陛下,王弟スフリー殿下,王弟(大蔵大臣)ジェフリー殿下
バングラデシュ国大統領
ホンジュラス国大統領夫妻
ナイジェリア国大統領
レソト国国王モシェシェ2世陛下
ギリシャ国大統領夫妻
ポルトガル国大統領
モルディブ国大統領
インドネシア国大統領夫妻
フィジー国大統領夫妻
パナマ国大統領代行
メキシコ国大統領夫人
コロンビア国大統領夫人
カンボジア国王族ラナリット同妃両殿下


●即位礼正殿の儀(1990年11月12日)



ベルギー国国王ボードワン王妃両陛下
西サモア国元首タヌマフィリ2世殿下
ルクセンブルク国大公ジャン同妃両殿下
デンマーク国女王マルグレーテ2世陛下,王配ヘンリック殿下
ブータン国国王ワンチュク陛下
スウェーデン国国王カール16世グスタフ王妃両陛下
ブルネイ国国王ハナサル・ボルキア陛下,王弟(大蔵大臣)ジェフリー殿下
マレーシア国国王アズラン・シャー王妃両陛下
ノルウェー国皇太子(摂政)ハラルド同妃両殿下
ザンビア国大統領夫妻
トーゴ国大統領
インドネシア国大統領夫妻
マリ国大統領夫妻
ガンビア国大統領夫妻
アイルランド国大統領夫妻
ジブチ国大統領
ケニア国大統領
モルディブ国大統領
キリバス国大統領夫妻
ボツワナ国大統領夫妻
アイスランド国大統領
セネガル国大統領夫妻
フィンランド国大統領夫妻
カメルーン国大統領
イスラエル国大統領夫妻
バングラデシュ国大統領夫妻
ドミニカ国大統領
ドイツ連邦共和国大統領夫妻
ガイアナ国大統領夫妻
中央アフリカ国大統領夫妻
フィリピン国大統領,同令嬢
ポルトガル国大統領夫妻
オーストリア国大統領夫妻
インド国大統領,同令嬢
フィジー国大統領夫妻
キプロス国大統領夫妻
パキスタン国大統領夫妻
マーシャル国大統領夫妻
ミクロネシア国大統領夫妻
マルタ国大統領夫妻
パラグアイ国大統領夫妻
エルサルバドル国大統領夫妻
スーダン国革命評議会議長
アルゼンチン国大統領
ボリビア国大統領
トルコ国大統領夫妻
ナウル国大統領夫妻
パナマ国大統領夫妻
ホンジュラス国大統領夫妻
ブラジル国大統領夫妻
コスタリカ国大統領夫妻
ユーゴスラビア国連邦幹部会議長夫妻
ルーマニア国大統領
ブルガリア国大統領夫妻
ハンガリー国大統領夫妻
モンゴル国大統領夫妻
サンマリノ国執政
メキシコ国大統領夫人
ヨルダン国皇太子ハッサン同妃両殿下
英国皇太子チャールズ同妃両殿下
タイ国皇太子ワチラロンコン殿下
モナコ国皇太子アルベール殿下
オランダ国皇太子ウィレム・アレキサンダー殿下
スペイン国皇太子フェリペ殿下
リヒテンシュタイン国皇太子アロイス殿下
ネパール国皇太子ディペンドラ殿下,王弟ギャネンドラ同妃両殿下
ロッコ国王子ラシド殿下
トンガ国王女ピロレヴ殿下,同夫君
カタール国王族ムハンマド殿下
サウジアラビア国王弟ナッワーフ殿下
クウェート国王族ナーセル殿下
オマーン国王族ファイサル殿下
アラブ首長国連邦王族ムハンマド殿下
スワジランド国王族デイビッド同妃両殿下
バーレーン国王族アリ殿下
英国王配エディンバラ公フィリップ殿下



○ちょっと絶句してしまいます。これだけ多くの人が来てくれてしまう。別に日本政府がアゴアシ
きで招待したわけじゃありません(中国の「一帯一路」フォーラムとは全然違う)。純然たる弔問外
交なんですが、まさしく皇室こそは日本外交の超強力ソフトパワーというべきでありましょう。それ
にしても、世界には王族がいっぱいいるのでありますな。ベネルクス3国に3つの王室があるなんて、
まるで反則みたいじゃないでしょうか。

○さて、気を取り直して本日の問題の答えです。答えは②のムガベ大統領です。


①のダン・クエール夫妻は、1989年9月に「公賓として」訪日しています。国賓と公賓ではいろいろ
違いまして、たとえば国賓宮中晩餐会が行われますが、公賓では宮中午餐会になります。ちなみ
に、ときのジョージ・H・W・ブッシュ大統領は、1992年1月に国賓として訪日しています。このとき
ビッグスリーの社長を引き連れて訪日し、選挙戦を意識して"Job, Job, Job!"と叫んだものです
が、慣れないことはするもんじゃなくて、宮中晩餐会の席でインフルエンザでぶっ倒れてしまいまし
た。このときは宮沢喜一首相がバーバラ・ブッシュ夫人にマイクを渡し、とっさのスピーチで急場を
救ったと言われています。

③の盧泰愚大統領夫妻は、1990年5月に国賓として訪日しています。さらに1994年3月には金泳三大
統領夫妻が、1998年10月には金大中大統領夫妻が、2003年6月には盧武鉉大統領夫妻が、それぞれ国
賓として来日しております。この頃の日韓関係はまともだったのだなあ、と今さらながらに感心しま
す。

④のゴルバチョフ大統領は、1991年4月に国賓として訪日しています。さらに2年後の1993年10月に
は、エリツィン・ロシア国大統領夫妻が国賓で訪日しています。現在のプーチン大統領は、あんなに
長いことやっているのに、国公賓には一度もなっていないのですね。ちょっと意外です。


○さて、ロバート・ムガベ大統領は、1987年に大統領に就任し、2017年にクーデターで追われるま
で延々と同国に君臨し、現在も95歳で存命なようです。ちなみに平成2人目の国賓もアリ・ハッサ
ン・ムウィニ・タンザニア大統領で、アフリカからなんですね。おそらく当時は、「天皇の政治利用
があってはならない」ということで、敢えて淡々と決めていたのじゃないかと想像いたします。