<5月18日>(月)
○大阪都構想をめぐる住民投票は僅差で否決となったようです。私のように橋下徹市長に何の
期待もしていない、かといって別段嫌いでもない、悪いけど大阪がどうなろうがあんまり関心
もない者の素朴な印象から行くと、橋下さんにとってこれは最高の結末だったように思えま
す。○だって都構想が実現したところで、大阪が大復活を遂げるなんて可能性は限りなくゼロであ
りましょう。広げた風呂敷をどこかで畳まなければならないわけですから、ここで大阪市民か
ら撤退を宣告してもらうというのは、彼にとって最高の出口戦略となるでしょう。だってあれ
だけ身を粉にして頑張ったのに、大阪市民が彼を見捨てたという結果なんですから。これ以
上、彼の側に義理はないということになると思います。○もうちょっと敷衍しますと、「僕の説明が足りなかった」というのは、「橋下さんの説明を
聞きたくない」と思う人がそれだけいたというだけのことです。もっと上手に説明したら聞い
てもらえたはず、ということはないでしょう。だいたい高齢者というものは、自分の経験で判
断します。新しい情報をインプットして判断してくれというのは、その行為自体に無理な部分
があります。○この点、いかなる幻想も持ってはならないと思います。ある程度、老人とまじめに向き合っ
たことのある人であれば、こんなことは常識であると思います。「シルバー民主主義の限界が
どうのこうの」、などと言って、今回の住民投票の結果に対して怒っている人は、はっきり
言って考えが甘いと思いますよ。