溜池通信

<3月7日>(水)

○同世代の友人が言っていたこと。「プレゼンの時などに麻雀用語を使うと、最近の若い人や
女性には通じていないことがある。あれは気をつけないといけないぞ」。

○言われてみれば確かに思い当たる。マイクを握ったときに、「そこで泣きが入ってあと半荘
ということになったのですが・・・」とか、「ノミ手なのにリーチ一発ツモで、裏ドラが乗っ
たような形でして・・・」などとやらかしているうちに、その場に居るオヤジ連中はガハハと
笑っているけれども、若い衆がキョトンとしているという図は「あるある」。ああいうのは、
まことに感じの悪いものであります。

○以下のような用語は、ごく普通に使ってしまいがちだけれども、時と場合によっては通じて
いないかもしれませぬ。ある一定年齢層よりも上の方々はご用心くださいまし。


「これは明らかに与党のチョンボであります」

「あの人、今日は最初からテンパってましたよね」

「この委員会、面子(メンツ)が偏ってますな」

「安全牌(アンパイ)と思ったから、合コン呼んでやったのに」

「このままでは円高が青天井になってしまいます」

「もうリーチかけたんだから、今さらジタバタするんじゃない」

「今の財務省にとっては端牌(ハジパイ)のような問題です」

「黒棒1本差で破産を免れた」

北朝鮮はもうベタ降りモードなんじゃないですか」

再生可能エネルギーに決め打ちしてしまうのは危険です」

「あの監督はときどき、見え透いた口三味線をやりますからなあ」

「現状のチーム数は多牌(ターハイ)しておりまして、少し減らさねばなりません」

「川上から川下まで、一気通貫型のサービスが可能になります」

「今日は全面安で、証券会社の電光掲示板が緑一色(リューイーソー)です」

「ここで追加緩和だなんて、地獄待ちみたいな金融政策ですな」(注:黒田さんはきっと麻雀
が強いと思う)

「新党の立ち上げは裸単騎型に限る」(注:昔、渡辺喜美先生が本当にそう言っていた)


○考えてみたら、「オーラス」とか「ハコテン」とか「対面」(トイメン)なんて言葉は、も
う麻雀が語源だなんてわからなくなってますわなあ。今は普通に使われている「ワンチャン
ス」という言葉も、元は麻雀用語なんですよね。ただし「ハイテイの大逆転」とか、「いつま
で続くイーシャンテン」とか、「シーサンバラバラみたいな組織」なんて言葉は、オタク度が
高いので使わない方が無難でありましょう。

○それにしても、これだけ麻雀用語が豊穣にあるということは、オヤジ世代以上がいかにこの
ゲームに無駄な時間を費やしてきたかという証拠でありますな。こればっかりは、やらない人
には分かってもらえないかもしれません。